『最初はエキストラ、今は王子様(柏レイソル)』



 柏レイソルのマスコットはレイ君です。一応、王子様という話ですが、皆さんは何か違和感を感じませんか。王子様というわりには、どこか孤独なような感じがしませんでしょうか。
 もっと確信に迫る言い方に変えましょう。王子様なのに、なぜ家来がいないのでしょう。それは実際にはレイ君は王子様ではないからです。彼は実は偽者の王子様だったのです。
 柏の本当のマスコットは、かしわもち君でした。彼はもち肌が自慢のマスコットです。しかし、これでは勝てない、こんなマスコットと一緒に戦いたくないという一部の熱狂的なレイソルサポーターの手によって幽閉されてしまいました。
 その代わりに、マスコットとして白羽の矢が立ったのがレイ君でした。役者志望のレイ君は、この日、オーディションを受けた帰りでした。
 まだ売れていない無名の新人、役者の卵のレイ君にとっては、王子様を演じるということは非常に魅力的な話でした。彼はふたつ返事で承諾しました。もちろん、その時には本当のマスコットの存在は知りませんでした。
 柏スタジアムの秘密の部屋に、鉄仮面を被せられたマスコットがいることを知ったのは、王子様を演じ始めてから数年後のことでした。
 事の重大さに気づいたレイ君は、柏スタジアムから逃げることを考えます。表向きは柏スタジアムの老朽化に伴う柏の葉への移転でしたが、実は裏では、かしわもち君ごと柏スタジアムを爆破するという恐ろしいプロジェクトが動いていました。
 ところが、多くのサポーターの反対により移転は失敗。また、この時、施設の老朽化が災いし、かしわもち君が脱走。レイ君への復讐を誓った彼はまず、武力を使わず、頭脳での復讐に出ました。マスコミ戦略です。王子様なのに、家来がいないという最大の矛盾点をついてきました。それに対し、「故郷をほろぼされたため、家来はいません」と巧みな舞台設定をし、無難に切り抜けたレイ君。彼の主役を守る戦いは、まだまだこれから、始まったばかりである。
 レイ君は、役者志望の役者の卵。始めはエキストラしか仕事がなかったが、今は王子様を演じている。時代劇希望だが、最近ではフジテレビの月曜夜9時のドラマにも意欲を見せている。ひとりっこのため、ジェフ市原のマスコットのジェフィ&ユニティ兄弟に羨望のまなざしを送る。なんでも、兄弟でチャンネル争いをしたかったとか。千葉ダービーでは最高に燃えるレイ君の最大の理由は実はそれであった。単に千葉対決ということではない。
 本当のマスコット、かしわもち君は、もち肌が自慢のマスコット。愛称はぷよぷよ。レイ君に復讐する機会を虎視眈々と狙う。武力闘争も考え、高砂一門の下、身体を鍛えた。得意技は、鯖折り。危うし!レイ君!!ちなみに、家来は、ちまき。



 調査終了報告年月日 平成16年8月22日



(注)絶対に本気にしないでください。これはフィクションです。