『宇宙からの使者〜その名はフリ丸〜(横浜FC)』



 今年、横浜FCに待望のマスコットが誕生しました。名前はフリ丸。名前の由来は、1998年に消滅したクラブ、横浜フリューゲルスの「フリ」、そのクラブのマスコットであったとび丸の「丸」です。そこから、命名しました。いや、正確には命名したことになっています。それについては後程ご説明しましょう。
 皆さんは登場したフリ丸をご覧になられたでしょうか。最初の感想はいかがですか?ファーストインプレッションは?パンダーゼットみたい?北京オリンピックのマスコットみたい?ハムリンズみたい?
 たしかに何かに似ている感じがしますね。でも、それをもう少し抽象化しましょう。どうでしょう?フリ丸がいったい何者か、見えてくるのではないでしょうか?まるで超合金みたい?まるで宇宙人みたい?宇宙服を着ているみたい?
 そうです。実はそれ、全部、正解です。
 フリ丸は、宇宙からやってきた謎の生命体です。我々、人類に対するメッセージを持って宇宙からやってきた使者です。どんなメッセージを持ってやってきたのか。それはこの地球が危ない、我々人類に危機がせまっているという警告です。それは環境破壊によるものなのか?隕石が地球に衝突するといったものなのでしょうか?いえ、違います。彼によると、謎の組織「X」による人類滅亡計画が着々と準備されているようです。彼はそれを阻止するためにこの地球にやってきた宇宙戦士、時空戦士なのです。
 フリ丸(フリマル)とは、正式には、フレキシブルコンバーター内蔵、リアクティブアーマー装備、マルチディスプレイ対応の略、頭の言葉をとって、フリマル、フリ丸なのです。充実した装備の宇宙戦士です。
 謎の組織「X」は、人類滅亡をたくらむ悪の組織で、地球を滅ぼすために宇宙の果てからひそかにやってきたそうです。今日のオゾン層破壊、地球温暖化、異常気象といった環境破壊、地球環境の悪化は我々、人類が引き起こしたものではなく、すべて、謎の組織「X」、奴らの仕業です。
 フリ丸は、謎の組織「X」の陰謀を知り、彼らを追って、この地球にやってきました。フリ丸は宇宙刑事でもあるのです。時空を超えてやってきたフリ丸は、謎の組織「X」に覚られぬよう、この地球に潜入することが必要でした。そこで、登場したクラブが横浜FCだったのです。横浜FCなら、横浜フリューゲルスの「フリ」と横浜フリューゲルス時代のマスコット「とび丸」の「丸」で「フリ丸」を名乗れば違和感なく、入り込めます。そのため、横浜FCの新マスコットとして潜入することにしました。
 もちろん、このことは、横浜FCと事前に協議をしました。前身クラブである横浜フリューゲルスの消滅という過去を持つクラブ、痛みを知るからこそ他人に優しくなれる、人の痛みがわかる、だからこそ、地球の痛みがわかる。横浜FCは地球を、人類を守る使命を果たすための潜入先として横浜FCを選んでくれたことに対し、感謝の意を示すとともに全面協力を明言しました。その動きにサポーターも共鳴しました。悲しみを知っているからこそ強くなれる、他人を愛することができる、悲しみを乗り越えたからこそ未来が見える。だからこそ、サポーターもフリ丸とともに戦うことを誓いました。
 今シーズンから横浜FCのマスコットとなったフリ丸。その経緯はクラブの社長以下職員、それから、サポーターもみな、知っています。みな、志を同じくした同志なのです。今シーズンの横浜FCのスローガンは「これからのサッカーが、ここにある」。サッカーだけではありません。これからの人類の未来が、ここにあるのです。今シーズンから、勝ち負けといったちっぽけなことにはこだわらず、もっともっと大きなものと戦うのです。人類にとって最大の敵とも言うべきものと戦うのです。
 謎の組織「X」・・・果たして、その正体とは?それはまた別の機会にでも・・・
 フリ丸は、横浜FCのマスコット。2009年に登場した。サッカーのマスコット、それは表向きの事情で実は宇宙から時空を超えてやってきた宇宙刑事である。謎の組織「X」の陰謀を阻止するために地球にやってきた。フレキシブルコンバーター内蔵、リアクティブアーマー装備、マルチディスプレイ対応等、装備は充実している。装備も充実ならプライベートも充実で、オフタイムは女子大生とデートをしているらしい。現在は横浜国立大学で定期的に講演を行っている。4月からは正式に客員教授として宇宙工学について教える予定。女子大生に人気で、学生の要望にも応え、課外授業にも熱心、影では合コンの帝王とも呼ばれているらしい。好物は宇宙食。ちなみに、耳の部分は非常食の保管庫となっている。今は無重力対応のソーセージ(宇宙食)が入っているとか。最近では、和食にはまっているようである。マイブームは懐石料理。



 調査終了報告年月日 平成21年2月1日



(注)絶対に本気にしないでください。これはフィクションです。